「子どもと大人の愛着関係が大切」
ということは多くの方がご存知だと思います。
「愛着関係」の大切さを知っているが故に
大人は必死になって子どもとの良い関係を
築こうとします。
しかし、必死になればなるほど、
往々にして上手く行きません。
今まで実の親に
気分次第で可愛がられたり、
冷たくされたり、暴力を振るわれたりして
子どもをコントロールしようとする経験を
持つ子どもなら
里親も形が違えど
自分をコントロールしようとする大人だ
と感じるのではないでしょうか。
里親が頑張れば頑張るほど、
子どもは恐れを感じてしまいます。
実は「愛着」の本来の意味は
「個体が危機的な状況になった時、他の個体に“くっつく”ことで安全の感覚を回復・維持する」
といった動物行動学的な色合いの強いもので、安全の感覚を回復する為の手段であって目的ではないのです。
愛情をかけて養育することは
もちろん大切ですが
子どもとの関係性を築くより先に
『安全・安心な大人』
と認識してもらうことを優先してこそ
やがて、絆を深める段階に進んでいけるのでしょう。
参考:養育ブック(改定版)より