Happinesss通信 第121号【「愛着」の落とし穴】


「子どもと大人の愛着関係が大切」

ということは多くの方がご存知だと思います。

「愛着関係」の大切さを知っているが故に

大人は必死になって子どもとの良い関係を

築こうとします。

しかし、必死になればなるほど、

往々にして上手く行きません。

今まで実の親に

気分次第で可愛がられたり、

冷たくされたり、暴力を振るわれたりして

子どもをコントロールしようとする経験を

持つ子どもなら

里親も形が違えど

自分をコントロールしようとする大人だ

と感じるのではないでしょうか。

里親が頑張れば頑張るほど、

子どもは恐れを感じてしまいます。

実は「愛着」の本来の意味は

「個体が危機的な状況になった時、他の個体に“くっつく”ことで安全の感覚を回復・維持する」

といった動物行動学的な色合いの強いもので、安全の感覚を回復する為の手段であって目的ではないのです。

愛情をかけて養育することは

もちろん大切ですが

子どもとの関係性を築くより先に

『安全・安心な大人』

と認識してもらうことを優先してこそ

やがて、絆を深める段階に進んでいけるのでしょう。

参考:養育ブック(改定版)より