Happinesss通信 第111号【特別養子縁組の生みの親】


里親のことや養子縁組のことを

勉強したり調べたりしていると

目にすることが、たびたびあって

気になっていたことがありました。

それは

『菊田医師事件』

養子縁組とどう関係があるのか

不思議に思って

図書館で本を借りることにしました。

図書館に行ってみると書棚にはなく

書庫に管理されている本でした。

『天使よ大空へ翔べ-ある産婦人科医の闘い』

作者:菊田 昇

https://bookmeter.com/books/2585429

読んでみて

なぜ公開されている書棚にはないのか

わかった気がしました。

あまりにも赤裸々な内容だったのです。

すべて実名、医師に届いた手紙も

何も伏せずにそのまま

生々しい言葉1つ1つに

子をもつ親として

心が打ちのめされました。

私たちは自分を守る為なら

まだ、生まれていないとはいえ

自分のお腹で生きている赤ちゃんに

ここまで無情になれるのか?と…

妊婦が堕胎できる時期を過ぎてしまい

産み月になって

「この子はいらない。どうにかしてくれ」

と医師の元へ来たり

もっとひどい事例もたくさんありました。

一方で

赤ちゃんを堕胎する決心がつかず

このまま心中するしかないと

泣きながら医師にすがる母もいました。

こんなことを繰り返しているうちに

医師は疑問を持ち始めるのです

自分は医師で命を守るのか仕事のはず

赤ちゃんの命をこのまま見殺しにし続けて

良いものか?

そこで菊田医師は違法と知りつつ

堕胎を希望する妊婦から生まれた赤ちゃんを

子どもを欲しがっている夫婦の子として

出生証明書を作成することにしたのです

これは

堕胎の時期を過ぎた妊婦の体を守ることになり

また

子どもを欲しがっている夫婦にとっては

夢のような話でした。

菊田医師は妊婦と夫婦のどちらからも

感謝されましまが

違法なので当然

他の医師も協会も世間も賛否両論。

新聞などにも取り上げられ

当時、大きな問題として騒がれたようです。

菊田医師はこの時

「家族に迷惑がかかると思う」

と話したところ

妻は「とうに覚悟していました。」

と、言ったそうです。

また、子ども達には

「父は尊い仕事をしている」と

伝えたそうです。

この菊田医師の

『例え、違法であっても医者として

赤ちゃんの命を守るのだ』

という熱い想いがあったから

現在、特別養子縁組があるのです。

熱く大きな志が

たくさんの人の希望を生むのですね