Happinesss通信 第114号【虐待加害者は誰か】


ここ数年、虐待が原因で幼い子どもが亡くなる

痛ましいニュースが増えたように感じる。

実際、虐待の報告は年々増加する一方です。

何が原因なのだろう?

虐待を減らす為に何ができるのか?

虐待を受けてしまった子どもにどう対応すれば良いのだろう?

そう考えている時、読んでいた本の中で

あるデータに出会った。

虐待の加害者について調べたもので

児童相談所の調査によると

第1位は『実母』で57.3%と半数を超え

第2位は『実父』29.0%、

『実父以外の父』6.2%、

『実母以外の母』0.8%

という結果です。

この結果を元に考えると

閉塞的な家庭の中で『実母』が

ストレスを溜め込んでしまったことが

原因だと考えられる。

その為、『実母』を支える仕組みを作ろうと

自治体などが取り組んでいる。

しかし、警察統計を見ると

児童相談所のそれとは全く違う。

第1位は『実父以外の父』39.5%

第2位は『実父』38.3%

第3位『実母』21.0%

『実母以外の母』は1.2%

ちなみに『実父以外の父』や『実母以外の母』は

ステップファミリーにおける継父や継母だったり、

養育している里親だったり、内縁や恋人の場合もある。

この違いは何か?

つまり、警察統計は傷害罪や暴行罪として

警察が関与している重度のケースです。

最近、私たちがニュースで見るのもこのケースです。

児童相談所、警察のどちらのケースでも

『実母以外の母』の数字が低いのがわかりますが、

関与していない訳ではないようです。

『実母以外の母』は自分では手をあげず、

子どもが自分の言うことをきかないと

『実父』に言いつけ、『実父』が躾と称して

虐待するのです。

この『実父以外の父』の虐待がなぜ起こるのか?

どう防いでいくのか?

また、わかりにくい家庭内の虐待に周囲の大人が気づいて、どう対応していくのか?

ニュースの中の他人事と思いがちですが

私たち1人1人が意識するだけで

虐待の抑止力になるのかもしれません。

『虐待のサイン』神奈川県ホームページよりhttp://www.pref.kanagawa.jp/docs/he8/cnt/f533519/p976866.html

参考資料

『子どもの回復・自立へのアプローチ』

~中途養育の支援の基本と子どもの理解~

著:津崎哲郎