ここ数年、虐待が原因で幼い子どもが亡くなる
痛ましいニュースが増えたように感じる。
実際、虐待の報告は年々増加する一方です。
何が原因なのだろう?
虐待を減らす為に何ができるのか?
虐待を受けてしまった子どもにどう対応すれば良いのだろう?
そう考えている時、読んでいた本の中で
あるデータに出会った。
虐待の加害者について調べたもので
児童相談所の調査によると
第1位は『実母』で57.3%と半数を超え
第2位は『実父』29.0%、
『実父以外の父』6.2%、
『実母以外の母』0.8%
という結果です。
この結果を元に考えると
閉塞的な家庭の中で『実母』が
ストレスを溜め込んでしまったことが
原因だと考えられる。
その為、『実母』を支える仕組みを作ろうと
自治体などが取り組んでいる。
しかし、警察統計を見ると
児童相談所のそれとは全く違う。
第1位は『実父以外の父』39.5%
第2位は『実父』38.3%
第3位『実母』21.0%
『実母以外の母』は1.2%
ちなみに『実父以外の父』や『実母以外の母』は
ステップファミリーにおける継父や継母だったり、
養育している里親だったり、内縁や恋人の場合もある。
この違いは何か?
つまり、警察統計は傷害罪や暴行罪として
警察が関与している重度のケースです。
最近、私たちがニュースで見るのもこのケースです。
児童相談所、警察のどちらのケースでも
『実母以外の母』の数字が低いのがわかりますが、
関与していない訳ではないようです。
『実母以外の母』は自分では手をあげず、
子どもが自分の言うことをきかないと
『実父』に言いつけ、『実父』が躾と称して
虐待するのです。
この『実父以外の父』の虐待がなぜ起こるのか?
どう防いでいくのか?
また、わかりにくい家庭内の虐待に周囲の大人が気づいて、どう対応していくのか?
ニュースの中の他人事と思いがちですが
私たち1人1人が意識するだけで
虐待の抑止力になるのかもしれません。
『虐待のサイン』神奈川県ホームページよりhttp://www.pref.kanagawa.jp/docs/he8/cnt/f533519/p976866.html
参考資料
『子どもの回復・自立へのアプローチ』
~中途養育の支援の基本と子どもの理解~
著:津崎哲郎