先日、横浜市の一時保護所の定員オーバーについて少し触れましたが
朝日新聞に一時保護所についての記事が掲載されていました。
こちらは東京都の一時保護所について書かれているようですが
問題はどこも同じです。
里親認定研修の施設実習が一時保護所だった私は
ここで過ごしている子ども達と接し
その子ども達を真剣に守り、安心して生活できるように
日々、頑張っている職員の方々の姿も拝見しました。
ここにいる子ども達は一見、楽しそうに勉強したり
遊んだりしています。
でも、
ある日突然、知らない場所、知らない大人、知らない子どもたちとの
集団生活が始まって不安じゃない子はいないはずです。
実際、時間が経つにつれ不安定になっていく子どもの姿も私は知っています。
そんな状態の子どもたちが生活する一時保護所のルールは、かなり厳しいものだと私も感じました。
○ 職員と一緒ではないと一時保護所から出ることができないので幼稚園や学校には行けない。
○ 毎日の食事、勉強、お風呂、遊びのスケジュールが全て決まっている。
○ 小学生以上は数人ずつで部屋を割り当てられており、他の人の部屋には入れない。
○ 未就学児でも抱っこは禁止されている。
○ 私物は持って来ることができない。
○ 中には他の子どもとの接触を禁止されている子どもがおり、部屋も個室でトイレ以外に勝手にでられません。
食事も別の時間に職員の方と一緒にという徹底ぶりです。
でも、ルールがこんなに厳しいのには理由があるのです。
外出ができない理由は…
虐待などの理由で児童相談所が親から引き離した子どもを無理やり取り戻そうとする親がいるので、そんな親から子どもを守る為
私物を持ち込めないことやスケジュールが決まっていることは…
精神的に不安定な子ども同士がケンカしたりしてお互いを傷つけたりしないようにする為
未就学児の抱っこを禁止しているのは…
一時保護所で生活する子どもたちは親元に戻す可能性が高いので職員と強い愛着関係を築かないようにする為
私は当初、これらのルールを知らず、未就学児の子どもたちにせがまれて
抱っこしたりお膝に乗せて絵本の読み聞かせをしたりしましたが
職員の方々は「職員ではないので良いですよ」と仰って下さいました。
職員の皆さんは子どもたちの命を大切に思っているが故に厳しいルールを
守っているのです。
ただ、人権侵害は問題ですから、直すべきところは見直し
子どもたちがもっと心から安心して過ごせる場所となれば良いなと思っています。
虐待から子守る一時保護所、指摘された人権侵害の実態