Happinesss通信 第33号 【実親と里親】

 

【実親と里親】

里親になって初めて『実親』という言葉に出会いました。
血の繋がらない『里親』に対して、血の繋がりがある『実の親』と
いう意味なのでしょうか。

現在の日本では子どもに対する実親の権利はとても強く
海外とは比べ物になりません。

戸籍上で養子縁組が成立しない限り里親の元で生活を始めた
子どもたちにもその権利は及びます。

子どもの年齢が6歳までは特別養子縁組をすることが可能で
それが成立すると戸籍上も事実上も『実親』との繋がりは
なくなります。

普通養子縁組では戸籍上も『養子』『養女』となり
実親と里親の両方の名前が記載されます。
親との関係が完全に終了するわけではありません。
ただ、親権は里親にあり、養子縁組することに当然ですが
実親が同意しているので頻繁に子どもと『実親』が
行き来することはないと思います。

上記のような縁組里親に比べ『養育里親』は親権がありません。

 

親権がない状態で子どもの毎日の生活を支えるのが『養育里親』です。

「面談をしたい」と言われれば子どもを何らかの形で
『実親』に会わせなければいけません。
『里親』が同席することはまずありませんが、児童相談所や
児童相談所の担当者が実親の家に連れて行ったりするようです。

里親にとってはとても複雑な時間。
子どもが親と離れて暮らすことに対してどのように理解して
いるのかによっても違うとは思いますが、心が揺れることは
間違いないでしょう。

実親にとっては待ち遠しい時間かも知れません。
本当は一緒に暮らしたいけれど、事情があって今は難しい
だから、たまに会える時間を心の支えに頑張っている方も
いるのかも知れません。

2組の親の間で育つ子どもの心をどのように見守っていくのか

その子の周りの大人と共に、社会全体で考えていく責任があると
思っています。