【実親と里親】
里親になって初めて『実親』という言葉に出会いました。
血の繋がらない『里親』に対して、血の繋がりがある『実の親』と
いう意味なのでしょうか。
現在の日本では子どもに対する実親の権利はとても強く
海外とは比べ物になりません。
戸籍上で養子縁組が成立しない限り里親の元で生活を始めた
子どもたちにもその権利は及びます。
子どもの年齢が6歳までは特別養子縁組をすることが可能で
それが成立すると戸籍上も事実上も『実親』との繋がりは
なくなります。
普通養子縁組では戸籍上も『養子』『養女』となり
実親と里親の両方の名前が記載されます。
親との関係が完全に終了するわけではありません。
ただ、親権は里親にあり、養子縁組することに当然ですが
実親が同意しているので頻繁に子どもと『実親』が
行き来することはないと思います。
上記のような縁組里親に比べ『養育里親』は親権がありません。
親権がない状態で子どもの毎日の生活を支えるのが『養育里親』です。
「面談をしたい」と言われれば子どもを何らかの形で
『実親』に会わせなければいけません。
『里親』が同席することはまずありませんが、児童相談所や
児童相談所の担当者が実親の家に連れて行ったりするようです。
里親にとってはとても複雑な時間。
子どもが親と離れて暮らすことに対してどのように理解して
いるのかによっても違うとは思いますが、心が揺れることは
間違いないでしょう。
実親にとっては待ち遠しい時間かも知れません。
本当は一緒に暮らしたいけれど、事情があって今は難しい
だから、たまに会える時間を心の支えに頑張っている方も
いるのかも知れません。
2組の親の間で育つ子どもの心をどのように見守っていくのか
その子の周りの大人と共に、社会全体で考えていく責任があると
思っています。